アルテミアの飼育に挑戦してみよう。
アルテミアの飼育は、小さな体の中に詰まった古代からの生命の不思議や、日々の成長を見守る楽しさ、手軽に生き物の生態を観察できる魅力があります。飼育のために、特別な用具などは必要なく、手軽に飼育を始めることができます。

ホームセンターで「アルテミアの飼育セット」って見つけたんだけど、アルテミアってどんな生き物なの?

今日はアルテミアについての勉強だよ。正しく学んで、楽しく飼育してみよう!
アルテミアとはどんな生き物?
アルテミア・フランシスカーナは形はエビに似ていますが、エビの仲間ではありません。一般的には「ブラインシュリンプ」や、商品名として「シーモンキー」と呼ばれることもあります。
耐久卵(乾燥卵)の状態で市販されており、比較的簡単に孵化することができ、飼育や繁殖することもできます。

耐久卵は水質の悪化や乾燥などにも耐えて、水がキレイになった時に孵化するんだよ!
アルテミアの生息地
世界各地の塩分濃度の高い塩水湖や塩田に生息していますが、海には生息していません。
生きた化石
1億年以上前から姿を変えていないとされ「生きている化石」と呼ばれています。

1億年以上も姿、形を変えていないなんて、アルテミアって凄い生き物なんだね!
そんな生きた化石と呼ばれている生き物を、簡単に飼育できるのかな?
耐久卵
アルテミアは乾燥した環境でも耐えられる「耐久卵」を産むことで知られています。
この耐久卵は長期間保存が可能で、塩水と酸素、適切な温度があれば簡単に孵化させることができます。耐久卵の大きさは直径0.2~0.3mmです。

耐久卵なんて、初めて聞いたよ!アルテミアって不思議な生き物だね。
ますます飼育してみたいなぁ。
飼料生物
観賞魚や養殖魚の稚魚のエサとして広く利用されています。孵化したばかりの幼生は、特に小型の魚にとって栄養価の高い生きたエサとなります。

せっかく孵化したのに、餌にしてしまうのは、なんだか可愛そうだね。
今日はしっかりと勉強して飼育してみよう!
飼育に必要なもの
アルテミアの飼育を始める前に、準備が必要です。どれもホームセンサーなどで手軽に購入できるところも、アルテミアの飼育の魅力の1つです。
アルテミアの耐久卵

市販のアルテミア飼育キットや、観賞魚店などで購入できます。今回はダイソーで見つけた耐久卵を使用します。数えきれないほどの耐久卵が入っています。
飼育用の容器

透明で底の浅いものが観察しやすく、おすすめです。500ml〜1L程度のペットボトルやタッパーなどでも代用できます。

わざわざ購入しなくても、家にあるもので代用できそうだね。
天然塩

調味塩、旨味成分が配合された塩は避けて下さい。天然の塩を使用しカルキを抜いた、水道水に混ぜ、塩水を作ります。
つまようじ

アルテミアの耐久卵を少量だけ取る際に、爪楊枝があると便利です。
スポイト
水槽の下に溜まったゴミを吸い取る際に、スポイトを使用します。生態に影響なく、ゴミだけを吸い取ることができるので便利です。
エサ

パン粉、小麦粉、きなか、熱帯魚のエサなどの少量のエサを食べます。
今回はメダカの稚魚のエサを用意しました。パウダー状になっているので、アルテミアの餌には最適だと思います。

どれもホームセンサーなどで売ってそうな物ばかりで、特別な用具はないんだね!

簡単にそろえたいなら「アルテミア飼育セット」も発売されているよ!
飼育に必要な環境を作ろう!
アルテミアは塩分濃度の高い、湖などに生息しています。卵を孵化するには、塩分濃度の高い水と同じ環境を作る必要があります。

アルテミアが、ちゃんと孵化するためには環境が大切なんだ。
僕たちに空気が必要なように、アルテミアの飼育には、まず塩水が必要なんだよ!
水道水のカルキを抜く
水道水を1~2日ほど、日当たりの良い場所に置いておくことでカルキが抜けます。
早くカルキを抜きたい場合は市販のカルキ抜き剤(塩素中和剤)を使うと便利です。

水道水に含まれる塩素(カルキ)は、僕たちには無害であっても、水の中の生き物などにとって有害なんだよ。
塩水を作る

カルキを抜いた水500mlに対し、塩15gを入れ塩が溶け残らないように、よくかき混ぜます。
アルテミアの卵を入れる

爪楊枝の先を折り、アルテミアの耐久卵が入った袋に入れます。爪楊枝の先に付いた卵を、用意した塩水に入れ、優しくかき混ぜます。
アルテミアが孵化のポイント
準備した塩水にアルテミアの耐久卵を入れます。孵化は通常24時間〜48時間で始まります。
たくさん耐久卵を入れてしまうと、孵化したアルテミアの酸素が足りなくなってしまうので注意してください。
日光を当てる
孵化には光も重要な要素です。直射日光は避けて、窓際や水槽用ライトの近くなど、明るい場所に置きます。
孵化を待つ
通常、24時間程度で孵化が始まります。水温が低いと48時間ほどかかることがあります。
アルテミアの孵化

耐久卵を塩水の中に入れてから2日ほどで、無事に孵化しました。虫眼鏡とライトを用意すると、よく見ることができます。
アルテミアは水中の酸素で呼吸をしています。容器のフタを適度に開けて空気を入れ替えてください。

写真では分かりづらいですけど、チョンチョンと泳いでいるのが見えるよ!
ライトを横から照らすと光に集まったきた!かわいいね!
餌やり
アルテミアは、塩水中に発生するバクテリアや藻類などを食べて成長します。
成体まで育てたい場合は、市販のアルテミア専用の餌のほか、小麦粉、きな粉、パン粉などを少量与えることもできます。
注意としては餌を与えすぎると水質が悪化し、全滅する原因になるので、少量ずつ与えましょう。

たくさん餌を食べて、大きくなるのが楽しみだね!
成体は1から1.5cmほどの大きさになるよ。
水換え
基本的には、水が蒸発して減った分を、カルキ抜きをした水を足すだけで大丈夫です。
水がひどく汚れた場合は、底に溜まった汚れをスポイトなどで吸い取ります。

いつでもアルテミアの暮らす環境を清潔にしてあげてね!
水温
10℃〜28℃の範囲で飼育可能ですが、できるだけ安定した水温を保つようにしましょう。
寿命
アルテミアの寿命は約1ヶ月〜3ヶ月程度です。ただし、飼育環境が良ければ、世代交代を繰り返して長期飼育が可能です。

うまく飼育できれば、世代交代ができるよ。
これもアルテミア飼育の大きな魅力だね!
失敗しがちなポイントと対策
うまく孵化しなかったり、孵化しても、すぐに死んでしまう時などは、いくつかの原因が考えられます。
卵が孵化しない
原因としては、水温が低い、塩分濃度が不適切、卵が古いなどが考えられます。
対策としては、直射日光の当たらない日当たりの良い場所で飼育してみましょう。また塩分濃度の確認もしましょう。
寿命が短い
原因としては、餌の与えすぎによる水質悪化、水温の急激な変化が考えられます。
対策としては、餌は少量ずつ与え、容器を清潔に保つ。また手順をもう一度確認し、新しい環境で育ててみて下さい。
アルテミア飼育のまとめ


アルテミアは本来は日本にはいない生き物です。
自然界や下水に放流しないでくださいね!

最後に、小さくても尊い命には変わりはありません。
飼育すると決めたからには、責任を持って、しっかりとお世話してあげてね!
アルテミアは生命力が強く、比較的飼育しやすい生物です。卵から孵化し、成長する過程を観察することができるので、生命の神秘を学ぶ良い機会になると思います。
適切な環境を整えて、小さな命を観察する機会を楽しんでみてください。



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