[ビオトープ]
手作りの水辺でメダカの飼育
ビオトープを作ろう![作成編]
自分だけの小さな自然を楽しみたい!だけど手間、ヒマかける時間がない・・
そんなあなたにピッタリのビオトープ作り。
準備が整ったら、いよいよビオトープ作りの開始です!
ビオトープの仕組みと準備するものはこちらから
レイアウトをしてみよう!
まず用意した容器に低床材、流木、石などの小物を自由にレイアウトしセットしていきます。
今回はこんな感じです。プラ船の容器に赤玉の低床。拾ってきた大きめの石を積み上げています。
そして買ってきた流木を自然な感じにレイアウトしています。
近くの河原で石と一緒に拾ってきた、苔の塊を石に貼り付けたり、小さい鉢に植え替えた植物なども加えてみました。
全体的なレイアウトは、こんな感じです。レイアウトが整ったら、低床材が舞い上がらないように、ゆっくりと水を注ぎ込んでいきます。
注ぎ込む水は、事前にカルキを抜いた水でも良いと思いますが、今回は容器に注いだ後、5~7日ほど放置しますので、水道水から直接、ホースにつなぎ注ぎ込みます。
赤玉などを低床材として使用した場合は、多少の濁りは出てくると思いますが、数時間で沈殿しますので、あまり気にしなくて良いです。
お好みの水草を専用のおもりなどに巻き付けセットします。今回はホテイアオイとカボンバをセットしてみました。
この状態で5~7日ほど放置します。放置する目的としては、カルキを抜くこと。水道水に残っているカルキは、私たちにとっては害はないのですが、メダカにとっては有害な物質です。水の量にもよりますが、3日ほどで自然に抜けていきます。
そしてもう一つの目的は、バクテリアの繁殖です。メダカのフンや食べ残しを分解してくれるバクテリアは水質を安定させてくれます。まだバクテリアの少ない水でメダカを飼育すると、フンや食べ残しの分解が追い付かず、水質が悪くなってしまう恐れがあるからです。
これらの理由から、待ち遠しいと思いますが5~7日ほど放置することをおすすめします。
パイロットフィッシュとは?
カルキも抜け、バクテリアも繁殖してきたところで、いよいよメダカの投入となります。
まずは「パイロットフィッシュ」と呼ばれる生態を2~3匹投入します。
パイロットフィッシュ
テストパイロットのようなメダカなので、あまに高価なメダカなどは、おすすめできません。
今回は、安価なヒメダカに頑張ってもらいました。
パイロットフィッシュに限らず、メダカを水槽に入れるときは「水合わせ」という作業が必要です。これまでメダカが暮らしていた水質や水温と、新しく暮らす水質や水温は違うものです。そんな環境の変化から新しい環境に慣れてもらうための方法と思ってください。
やり方としては、ショップなどで購入したビニールのまま、1時間ほど新しい水槽に浮かべるだけで良いです。少しずつメダカが新しい水温に慣れてきます。
メダカを入れてみよう!
パイロットフィッシュとなったメダカを数日間観察し、元気に泳いでいる姿を確認したら、あとは好みのメダカたちを入れていきます。この時にも、水合わせは忘れずにしましょう。
メダカを入れる際には、1匹に対して1リットルの水量を目安とします。20リットル入る水槽ならば、最大20匹のメダカの飼育は可能ですが、20匹入れたら、それだけフンの量も増えてしまい水質が悪くなるのも早くなります。また酸欠状態などの恐れも出てしまうので、余裕をもった数を入れましょう。
今回は、青メダカ、白メダカ、黒メダカ、楊貴妃など合計15匹のメダカを入れてみました。
50リットルほど入るプラ船なので、かなり余裕がありますが、それはメダカと混泳できる相性の良い、ほかの生態を入れることを考えてのことです。
メダカと混泳できる生態
エビ類
メダカと相性の良い生態として挙げられるのはエビです。ミナミヌマエビやヤマトヌマエビが代表的な種類となります。
ミナミヌマエビは小型のエビですが、水槽内をチョロチョロと動き回りながら、コケなどをツマツマ食べる姿に癒されます。水槽内での繁殖も可能で、ペットショップなどでも購入できます。
ヤマトヌマエビはミナミヌマエビより大型で存在感がありますが、大型であるためコケなどを食べてくれる量も多く、水槽内の掃除屋としても役立ちます。ただし水槽内での繁殖はできません。こちらもペットショップで購入できます。
貝類
石や水槽の壁についたコケ取り用として、貝類を入れるのもおすすめです。石巻貝やタニシなどの種類がありますが、貝類を入れるときに気を付けることは、爆発的な繁殖力です。水槽内の掃除屋として入れた貝が、あちらこちらに卵を産み付け、卵を取り除くのに一苦労・・なんてこともあります。入れすぎには注意しましょう。
ビオトープの完成!
メダカ15匹、ミナミヌマエビ10匹、石巻貝7匹、近所の川で採ってきたエビと小さなナマズのような魚が暮らす、ビオトープの完成です!
後日、近所で採ってきたエビがスジエビと判明して取り除きました。スジエビは肉食でメダカに襲いかかることがあるようです。
基本的にはエサやりなどはしませんが、立ち上げたばかりなので少しだけエサをあげてみます。
蒸発して減った水を継ぎ足すくらいのメンテナンスと、年に1度の大掃除をするくらいで、あとは自然にまかせます。
メダカの稚魚を確実に増やしたい方は卵を採取して、別の容器に移し繁殖させる方法もありますが、自分は自然な形で、うまく世代交代してくれたらと思います。
ビオトープを立ち上げてから1か月後には、ほかの生態も確認できました。
最初は、メダカの天敵のヤゴかと思いましたが、カゲロウの幼虫のようでした。
このように月日がたてば、さまざまな生態が確認できるのもビオトープの魅力です。
なかにはカエルやカニが紛れ込んで来たり、トンボの天敵であるヤゴが確認できたりと、いろいろあると思いますが、その生態を取り除くか、そのままにしておくかは、これからビオトープをはじめる方の考え方で良いと思います。
ビオトープは、生態を眺めて癒されるのはもちろんのこと、また自然の厳しさを教えてもらえる、そんな小さな生態系でもあります。
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