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キャンプブームの終わりとブームが残したものとは?

キャンプ

これからのアウトドア市場を考える。

コロナ禍を期に爆発的なキャンプブームが到来し、現在ではそのブームは落ち着きを取り戻しています。キャンプブームは終わったと言う表現よりも「キャンプブームのピークが過ぎた」といった感じでしょうか。

「ブーム」としては落ち着いたというのが一般的な考え方だと感じます。しかし、これは「キャンプという文化が終わった」ということではありません。

そもそもキャンプブームのきっかけとなった出来事とは何だったのでしょう?

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なぜキャンプブームが起きたのか?

「キャンプブーム」とはキャンプやアウトドア活動への関心が高まり、老若男女問わず、幅広い層に人気が拡大している現象のことです。日本では過去に何度かキャンプ人気が高まる時期があり、「ブーム」として語られることが多いです。

編集部
編集部

これまで「キャンプブーム」は何度かあったようですが、若者にとっては初めてのブームであった為、キャンプやアウトドア活動が新鮮に感じたのでしょうね。
「ブームは30年、周期で来る」なんて話も聞きますね!

コロナ禍の影響

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、屋内や施設の混雑する場所を避ける傾向が強まりました。

屋外で「三密(密閉・密集・密接)」を回避できるキャンプが、安心して楽しめるレジャーとして再評価され、人気が急上昇しました。

編集部
編集部

コロナ禍で、屋内施設が軒並み「営業自粛」をしていたのも、この頃です。
それに伴い、人々は屋内レジャーに代わる、安全に楽しめるレジャーを求めていました。

SNSやメディアの影響

SNSやYouTubeの普及により、キャンプの楽しさやおしゃれな道具、景色などが手軽に共有されるようになりました。

キャンプ系のYouTuberやインフルエンサーの影響も大きいです。またアニメ『ゆるキャン△』などの作品が、若い層や女性のキャンプへの関心を高めました。

編集部
編集部

私もキャンプに行ったときに、何度かYouTuberやインフルエンサーの撮影現場に遭遇しました。
キャンプ場にとっても大きな宣伝効果はあったと思います。

ライフスタイルの変化

これまでの物の消費から、体験や経験を重視する価値観の変化が若者中心に広がりをみせました。

また環境や自然志向の高まりなど、価値観やライフスタイルの変化も考えられます。

編集部
編集部

「モノ」があふれた時代に生まれた世代にとっては、物の消費や購入よりも、「コト」(経験や体験)に価値観を見出したのかもしれません。

ブームが去ったと感じられた出来事

キャンプブームが去ったと思われる出来事として「実際にキャンプ場での客足が減った」「SNSやメディアで、キャンプの話題が減ってきた」などがあげられます。

その他にも、アウトドア市場の変化や環境の変化も考えられます。

コロナ禍の特需の反動

新型コロナウイルスの影響で「密を避けるレジャー」として急増した新規参入者の一部が、コロナ禍が落ち着き、日常が戻るにつれてキャンプから離れたことがあります。

コロナ禍での屋内施設の営業自粛から、営業が再開されたため、これまでの慣れ親しんだレジャーに戻っていった。

編集部
編集部

実際に編集部のある地域周辺にも、いくつものキャンプ場がオープンし、友人もキャンプ場のスタッフとして転職していました。
正直、キャンプブームが去ったら、たくさん作られたキャンプ場はどうなるのだろう?と感じることもありました。

メーカーの市場の変化

大手アウトドアブランドの売上高が大幅に減少したように、キャンプ用品は一度購入すると長く使えるものが多いため、ブーム時に購入した新規購入者の需要が一巡したとの見方もあります。

また、リサイクルショップでの中古品の増加など、キャンプブームの時とは真逆の現象が起こっていることもブームが去ったと感じられる出来事です。

小売店の変化

ブーム時に急増した量販店や専門店などでのキャンプ・アウトドアコーナーが減少傾向にあること。専門店の撤退や閉店なども見受けられました。

編集部
編集部

キャンプブーム時の100円ショップでのアウトドア関連商品の多さと、コスパの良さには驚きを隠せなかったですね!何度もお世話になりました。

実際に話を聞いてみると

キャンプ場のスタッフとして転職した友人に話を聞いてみました。

スタッフ
スタッフ

今までが異常だったと感じます。
シーズン時の高額な料金でも予約が取れない状態でしたからね。今ではだいぶ落ち着いて、予約も取れやすくなっていますよ!

スタッフ
スタッフ

新規のお客様は減少しました。
代りにリーピーターの方が増えています。

実際にキャンプブームの時には「人手が足りない!」とのことで、知り合いのキャンプ場に、週末だけ手伝いをしに行ったこともありました。

スタッフ
スタッフ

ブーム時に増加した一部のマナー違反者(ゴミの不法投棄、騒音など)がブームが終わったとともに減少し、全体的にマナーが良くなったと感じています。

キャンプ道具やバーベキューセットなど、ブームと共に気軽に購入できたことから、バーベキューコンロなどを、そのまま破棄し、ゴミの不法投棄があったことも事実です。

キャンプをやめた理由とは?

  • 荷物が多く、準備や持ち運び後片付けが面倒。
  • 予約をとっても、雨が降るなど、当日の天候によって快適に過ごすことが難しい。
  • やっぱり、虫がいることが嫌!
  • ただ単に、飽きてしまった。

キャンプブームの時にキャンプを始めた友人に話を聞いてみました。

みーちゃん
みーちゃん

キャンプがブームの時にはキャンプサイトなどをSNSにアップしていましたが、最近は、どんなキャンプ道具を持っているかなど、見えの張り合いに疲れてしまいました。

優さん
優さん

近年の物価高の影響による経済的な理由でキャンプを控えています。キャンプ道具も物価高の影響からか値上がりしている感があります。

まーさん
まーさん

クマの被害が怖いですね。特に就寝中に襲われたら、どうしようと思ってしまいます。

これらの原因が重なって、キャンプを続けることが難しくなったり、嫌になったりと理由がありそうです。実際にブームが始まった頃とは、時代の変化(物価の上昇)もありましたし、環境の変化もありました。

キャンプブームが残したもの

これまでのキャンプという活動が一部のアウトドアマンの趣味というジャンルを超えて、より身近で質の高いものとして定着したことが最大の功績でしょう。

キャンプスタイルの多様化

ソロキャンプや、複数人でソロキャンプをする「ソログルキャン」冬キャンプなど、様々なキャンプスタイルが定着しました。その多様なキャンプスタイルが若者に受け入れられました。

グランピング市場の成長

豪華な設備で手軽に自然を楽しめるグランピングの認知度と人気が高まり、市場が拡大しました。

編集部
編集部

電源設備はもちろんのこと、冷暖房設備のキャンプや手ぶらでキャンプなども人気がありました。

他業界からの参入

自動車、ファッション、食品など、様々な業界がアウトドア市場に参入し、市場全体を盛り上げるきっかけとなりました。

アウトドア仕様の車やアウトドアファッションなどキャンプに関連する市場に他業種の関わりが増えてきました。

アウトドアギアの進化

多様なキャンプスタイルに対応するため、コンパクトギアや初心者でも扱いやすい高機能、軽量なギアの種類が大幅に増えました。

また大手アウトドアブランドだけではなく、ガレージブランドも多く展開されました。

防災との結びつき

キャンプのスキルや道具が、災害時のサバイバルや防災に役立つという意識が高まりました。使わなくなったキャンプ用品を防災用品として活用する動きも見られます。

編集部
編集部

自然災害の多い日本で、アウトドアを通じて「防災意識が高まった」ということが、キャンプブームが残してくれた、最大の功績だと感じます。

キャンプブームのまとめ

爆発的なキャンプブームは終わりましたが、ブームが落ち着くと共にキャンプはレジャーとして幅広く定着し、「質の高まり・文化的深まり」を感じるようになりました。

またアウトドア活動を通じて、自然の魅力や環境保全への意識が高まるきっかけとなったことも大きな影響でしょう。

以前より予約が取りやすくなったり、混雑が緩和されブームの終焉を歓迎する既存キャンパーもいるようです。キャンプブームは多くの産業や人々のライフスタイルに影響をもたらせた現象でした。

これからの市場を考えるとブーム時の「特需」から、これからも「キャンプの続ける人」をターゲットにしたサービスや商品開発が求められます。ライトユーザー向けの手軽な製品から、コア層向けの高品質な商品まで、幅広いニーズに対応した戦略が必要になると感じます。

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