[丹沢山]丹沢
2013.11.18
大倉尾根から塔ノ岳・丹沢登山
下山はナイトハイクで鹿との遭遇
先日、クイズ番組で世界一高い山はエベレストですが、宇宙一高い山は?という問題がありました。
みなさんは知っていますか?
火星にある「オリンボス」という山だそうです。標高は25000m。果てしない高さです。
きっと火星人も、だれが初登頂するのか競い合っているのですかね。それとも何百年も前に初登頂を済ませているのかも?
地球人も、いつかこの山にチャレンジする日が来るのかもしれません。
さて今回の登山は丹沢山です。次なる登山計画を模索している中、丹沢に大倉尾根という通称「バカ尾根」と呼ばれるところがあることを知りました。
このバカ尾根は、誰もが嫌になるダラダラと続く長い尾根と、急登な階段の連続なる登山道。
なんとも前評判の悪い山だと思いきや年間何万人の登山客が訪れる人気の山なのである。
この矛盾はなんぞや?これほど全国にはマゾっ気の多いお方がいらっしゃるのか?
こんな考えを検証しつつ、丹沢登山の始まりです。
丹沢山
標高は1567m。丹沢山地の丹沢主脈にある山です。
山梨県と静岡県に接するように広がり、1673mの蛭ヶ岳を最高峰に、大室山、檜洞丸など1500m級の山々が連なっている人気のある山です。
アクセス情報
・24時間営業の有料駐車場あり
おすすめポイント
・バリエーション豊富な登山道
・日本百名山に選定
登山道までの道のり
館山自動車道からアクアライン入口付近。
日曜日の夕方だけあってアクアラインに入るだけで、この渋滞・・まったく嫌気がさす。
もっとも、こんなブレブレの写真を堂々とブログに張り付けてしまう自分に、皆さんも嫌気がさしているでしょう・・
なんとか渋滞のアクアラインを抜け東名高速「海老名SA」に着いたのは深夜。
本日はここで車中泊となりました。
カメラの設定がおかしなことになっていて、またしてもブレブレの写真を張り付けるブレない自分。
5:30 起床。丹沢山までは往復6時間の行程と考え、いつもより早めの起床です。
早朝のパーキングエリアにいる、トラックのガスの匂いが、たまらなく好き。
丹沢山の登山口のある泰野ビジターセンターに向かっていますが、道に迷ってしまいロスタイム発生中・・
なんだかんだで、彷徨い続けること30分、民間の駐車場を発見できました。
看板に大きく「24時間」と書いてあるのが目印です。
この時点で9時を過ぎてしまっている・・
時間的に考えて丹沢山までのピストンは難しいかと考えてしまいます。なんとも幸先の悪いスタートとなりました。
泰野ビジターセンターを過ぎ、登山口までは民家が立ち並ぶ、舗装された道が続きます。
登山開始!
登山道入り口。ここから長い道のりの登山が始まります。
整備された林道を進むと「ヤマビルに注意」の看板が出てきます。
丹沢はヒルのでる山としても有名です。
この寒い時期に丹沢登山を選んだ理由は、暖かくなるとヒルが出てくるから。ヒルの出てこない時期に、丹沢を攻略しようという魂胆です。
まずは、樹林に囲まれた歩きやすい道のりです。大倉尾根に向けてのウォーミングアップといったところでしょうか。
「丹沢ベース」と看板のある小屋。味のある建物ですが、開いているのかは分かりません。
気持ちのいい尾根が続きます。
ここまでは思う存分、ペチャクチャおしゃべりでもしながら、登山を楽しみましょう。
なぜなら、これから先に待ち構える階段地獄では、無言になってしまうから・・
見晴茶屋
その名の通り、よい見晴しです!微かにですが秦野の街並みも見渡すことができます。
まだ休憩の必要もなく、快調に尾根を進んで行きます。
少し疲れの出てくる辺りから続く、整備された木道に、ありがたさを感じます。
ダラダラと長く続く登山道に、木道という一時のオアシスを設置してくれた猛者どもに、心からのお礼を述べたいものだ。
案内板が頻繁に出てくるため、道には迷うことはないのですが、山頂までの距離を見ると挫けそうになる・・・
尾根沿いに広がる紅葉に見惚れる余裕も、まだまだありますが「あれ?大倉尾根、余裕じゃん!」なんて勘違いしてしまうのは、このあたりから。
駒止茶屋にてしばしの休憩。
丹沢登山の良いところは、休憩ポイントとなる茶屋や山小屋がたくさんあること。
行程時間の目安にもなります。
駒止茶屋を過ぎると岩場や木の根で覆われた、足場の悪いザレ場が続きます。
11月の秋口になりますが、アップダウンの続く階段では汗ばんできました。
ひらけた気持ちの良い木道になりますが、こんな感じの木道がこれから何度も出てきます。
そして、また階段・・
今度は岩場・・
さすが「大倉尾根」と言わんばかりのザレ場、木道、階段の繰り返しの続く道のりです。
たいして縮まらない案内板の距離・・・
森林に閉ざされていた道のりから、ひらけた景色へと変わっていき、良い気分転換となります。
気分転換も束の間「大倉尾根、最大の難関」急登階段。
正確には数えてはいないが、気持ち的には10000段くらい登った気がする・・
花立山荘
言っておきますが「気持ち的な10000段の階段」を登ったあとには休憩所があるだけで山頂ではないことは伝えておきます・・
テーブルやベンチがある広い休憩所。富士山をはじめ、相模湾を一望できます。
さすが大倉尾根。まだまだ続くようです・・
大倉尾根が、なぜ「バカ尾根」と呼ばれているのかを考えてみると「バカみたいな尾根が、ダラダラと続くからなのか?」
それとも「こんな尾根を歩いている自分をバカだと思うからなのか?」
「お前のバカさ加減にゃ、父ちゃん情けなくて涙でてくらぁ!!」
こんな声が聞こえて来そうだ・・
まぁ、いずれにしろ「バカ尾根」と呼ばれていることには間違いなさそうです。
鍋割山分岐点
鍋割山分岐点
ここまで来れば、山頂も間近です。時折魅せる、丹沢の景色に心が癒されます。
「ん?まてよ?」
「大倉尾根の険しい道のり」と「時折見せる心癒される景色」このアメとムチの効果的なところが丹沢登山にハマる所以なのかもしれない。
なんとなくだが、「バカ尾根」と呼ばれ、前評判が悪い割には、登山客が多い理由がわかった気がする。
山頂に向かう、最後の長い階段を登りきれば、そこは待ちに待った山頂です!
塔ノ岳山頂!
塔ノ岳、山頂到着。標高1491m
山頂には尊仏如来の石仏が祭られており、山岳信仰の名残を感じることができます。
まわりには遮るものがないため、風が強く体感温度も低くなるので、ジャケットなど持っておいた方が良さそうです。
丹沢らしい奥深い景色と、うっすら見える富士山に、感動さえも覚えます。
尊仏山荘
山頂には、尊仏山荘という大きな山荘があり、広い山頂では、ゆっくりと疲れを癒すことができます。
丹沢山へ!
「バカ尾根」で消耗した体力を回復するため、ゆっくりと休憩したいところですが、今日の目的地は「丹沢山」です。
時間的にもヤバめと感じたので軽くおやつを食べ、丹沢山へ向け出発です!
塔ノ岳から丹沢までの道のりは開けており、富士山を見ながらの道のりです。
所々、ぬかるんだ道や橋のような所もでてきますが、決して危険な道のりではありません。
尾根沿いは景色が広がっていますが、風も強いので、あおられないように注意が必要です。
大倉尾根とは違って、景色を堪能しながらの登山道は、やっぱり気持ちのいいのもです。
残り100mの標識がみえ、最後の階段を登りきれば、もうすぐ山頂です。
丹沢山山頂!
丹沢山、山頂到着。標高1567m
丹沢の奥地、丹沢山です。日本百名山に選定されていますが、別に丹沢山というわけではなく丹沢に連なる山々を百名山に選定しているようです。
この先には、丹沢最高峰の蛭ヶ岳があります。
丹沢山の山頂も広く、山荘があります。
山荘にて山バッチを購入し、ストーブで暖まらせていただきました。
下山開始!
陽が沈みかけてきたので、ゆっくりしている時間もありません。下山開始です!
次回は時間に余裕も持って来よう。
ここからが、長い長い下山の始まりです。また大倉尾根を通過しないと思うと、気が滅入ります。
思ってみれば、まだ昼ごはんも食べていません。
風もさらに強くなっていき、風にあおられて危なかった・・
前から誰かが来た!と思いきや、シカの登場でした。
山荘の人に、シカの被害で困っているとは聞いていたけど、まさか出くわすとは思いませんでした。
夕方近くになり、かなり遅めの昼ごはん。
山荘の人に「この時間からの下山だと、ヘッドライトを用意しておいた方がいいよ」と言われていたのでヘッドライトの準備をし、夕暮れに備えます。
初のナイトハイクとなりそうな予感に、ドキドキとワクワク感がわいてきます。
いざ夕日が沈んでいくのを見ると、少し不安な気持ちにもなりますが、夕日と富士山が、とても綺麗でした!
そろそろヘッドライトを装着しておきます。空はまだ少し明るいのですが、木々に囲まれた登山道は、暗くなってきました。
まだ夕方の5時ですが、この暗さです。ときおり見えてくる街の明かりに安心します。
ビジターセンターに到着。無事に下山することができました。
もちろん駐車場には誰もいませんでした。万が一のためにヘッドライトを持っていて良かったなぁと実感しました。
下山時に暗くなってしまっても、焦らず落ち着けば大丈夫です。
登山を終えて
「登山は丹沢に始まり、丹沢に終わる」という言葉があります。
自分の登山が、いつ終わるのかは分かりませんが、まだ若い自分が大倉尾根でヒイヒイ言ってるくらいです。
そう思うと、最後の山に丹沢を選ぶのは考えないかな・・
しかし、年配の登山者の方も多く見かけたので、年齢を問わず楽しめる山です。
ガイド本などには「初心者でもOK」みたいな感じで紹介されている山ですが、体力のある初心者向けの山です。
なにより感じたのは、自然の領域に入ると計画通りに行かなかったり、想定外のことなど起こることも考えられますので、初心者の方でも、ヘッドライトなどの基本的な装備は持っていきましょう。
山バッジ
丹沢山と塔ノ岳の2種類のバッチを購入しました。丹沢山のバッチはカラフルな色使いのもの。
塔ノ岳のバッチはピッケルをモチーフにしたものです。なんならバカ尾根のバッチも作って欲しいものです。
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